ネット通販で揃うDIY葬セットとプロが伝える注意点
2026/01/18
目次
- DIY葬とは?ネット通販で買えるもの
- セット内容チェック
- 手続きと流れ
- 費用比較|DIY+セルフ手配 vs 葬儀社
- 危ない落とし穴
- 実践ハンドブック|準備チェックリスト
- 葬後の供養の選択肢
- 葬儀社選びのポイント
- FAQ
DIY葬とは?ネット通販で買えるもの
◆DIY葬とは何か
DIY葬とは、葬儀社にすべてを任せるのではなく、遺族が自分たちで準備・手配を進める考え方です。
今はネット通販で棺や骨壺が買える時代になり、「できるだけ費用を抑えたい」「形式にこだわらず見送りたい」と考える人が増えています。
ただし、葬儀は“道具がそろえば完結”とはなりません。DIY葬を検討するなら、まず「自分たちでできる範囲」を冷静に見極めることが大切です。
◆ネット通販で買えるもの・買えないもの
通販で揃えやすいものは、棺、骨壺、仏衣、枕飾り、線香・ローソク、簡易的な清拭用品などです。一方で“買えない/買っても解決しない”ものは、病院や警察署からの搬送手配、安置場所の確保、火葬場との調整、書類作成の実務、当日の段取りです。
特にドライアイスは通販で入手できることもありますが、保管・取り扱い・必要量の見積りを誤ると、安置状態に影響が出るリスクがあります。「お葬式セットを買ったのに、結局プロに緊急依頼した」というケースは珍しくありません。
◆この記事で得られること
本記事は、DIY葬を“安全に・現実的に”進めるためのハンドブックです。通販で揃うアイテムの選び方、死亡届から火葬までの流れ、見落としがちな費用、法律・倫理面の注意点、そして「ここはプロに頼むべき」という判断基準まで、順番に整理します。
セット内容のチェック
◆棺の通販購入時の品質確認ポイント
棺は見た目以上に「サイズ」と「強度」が重要です。ご遺体の体格に合わないと納棺が難しく、底抜けや破損は大きなトラブルになります。通販購入時は、内寸・耐荷重・素材(桐・布張り等)・付属品(布団、枕、固定具)を必ず確認しましょう。
また、火葬場によっては棺の仕様に制限がある場合があります。DIYで棺を自作するのは、強度・安全・火葬適合の面でリスクが高く、結果的にやり直しになる可能性があるためおすすめしません。
◆ドライアイスの使い方と安全注意点
ドライアイスは低温やけどや二酸化炭素濃度上昇の危険があるため、取り扱いに注意が必要です。密閉空間に置かない、換気をする、素手で触らない、保冷ボックスの扱いを誤らない、など基本ルールを守りましょう。
安置用品としては、防水シーツ、吸水パッド、手袋、清拭用タオルなどがあると安心です。ただし衛生管理や処置に不安がある場合は、無理せずプロに相談したほうが結果的に穏やかに進みます。
◆骨壺の選び方
骨壺は地域・火葬場・収骨方法によってサイズが変わります。一般的に「全収骨」か「一部収骨」かで必要サイズが違うため、火葬場の運用を確認してから選ぶのが安全です。材質は陶器が主流ですが、割れにくい素材やコンパクトタイプもあります。
◆搬送はプロへ任せると無難
見落としがちなのが「搬送・運搬周り」です。ご遺体を安全に移動するには、専用の寝台車や搬送体制が必要になる場合があります。布団や保冷材は通販で用意できても、搬送そのものは手配が必要です。ここがDIY最大のハードルになりやすい点です。
手続きと流れ
◆病院→自宅搬送の手順
ご逝去後は、まず医師の死亡診断書(または死体検案書)を受け取ります。その後、安置場所(自宅・安置施設等)を決め、搬送手配を行います。自宅安置の場合は、室温管理やドライアイス交換の段取りも必要です。
◆役所手続き(死亡届の提出)
火葬には火葬許可証が必要です。一般的には、死亡届の提出→火葬・埋葬許可証の交付→火葬場予約、という順番になります。提出窓口や必要書類は自治体で異なるため、早めに確認し、家族内で役割分担をしておくと混乱が減ります。
◆直葬・家族葬の違いと選び方
直葬は、通夜・告別式を行わず、必要最低限の工程で火葬へ進みます。家族葬は小規模でも式を行うため、会場・スタッフ・返礼や食事などが加わりやすく、DIY葬の難易度は上がります。費用だけでなく、家族の気持ちと親族理解も含めて選ぶことが大切です。
◆葬儀当日の時間配分と家族の役割分担
当日は、集合時間、火葬場の受付、炉前でのお別れ、収骨まで、時間が決まって動く場面が多いです。段取りを紙に書き出し、「誰が何を持つか」「誰が連絡をするか」を決めておくと、DIYでも落ち着いて進めやすくなります。
費用比較|DIY+セルフ手配 vs 葬儀社
◆DIY葬で見落としがちな隠れコスト
DIYでよくある誤算は「通販で安く買えた=総額も安い」と思い込むことです。実際は、搬送費、安置施設費、火葬料、ドライアイス追加、手続きの移動コスト、急な買い足しなどが積み上がります。特に安置日数が延びると、費用も負担も増えやすいので要注意です。
◆葬儀社依頼時のメリット
葬儀社に依頼するメリットは「搬送・安置・手続き・火葬の段取りを一括で整えられる」ことです。DIYは費用を抑えられる可能性がある一方、時間制約と精神的負担が大きくなりやすいのが現実です。費用だけでなく、家族の負担まで含めて比較しましょう。
◆節約のコツと金額比較表作成の提案
おすすめは、DIY案と葬儀社案を「項目ごとに」並べて比較することです。棺・骨壺・安置・搬送・火葬料・手続きサポートなどを表にし、どこに不確実性があるか(追加になりやすいか)を可視化すると、判断がブレません。
◆通販セットの品質の見分け方
極端に安いセットは、サイズや付属品が不足している、返品条件が厳しい、配送が間に合わない、などの落とし穴があります。到着日・梱包状態・サポート窓口・返品規定は必ずチェックしましょう。「急ぎの場面で対応できない」は、それだけで大きなリスクです。
危ない落とし穴
◆日本の法規制と実務上の制約
ご遺体の取り扱いには、衛生・公共性の観点から実務上の制約があります。火葬には火葬許可証が必要で、火葬場にも受け入れルールがあります。DIYをするほど「ルールの理解」が必要になる、と覚えておきましょう。
◆事件・トラブル事例の分析
過去のトラブルでは、棺の不適合、搬送手配の不備、安置環境の問題、近隣との摩擦、書類不備などが原因になりやすいです。防ぐコツはシンプルで、「不確実な工程はプロに任せる」「書面とルールで確認する」「当日を想定した段取りを作る」です。
◆トラブル発生時の対応フロー
もし手配が行き詰まったら、独断で進めず、関係機関へ相談しましょう。病院・役所・火葬場へ状況確認し、搬送や安置が難しい場合は葬儀社へ緊急相談するのが現実的です。
◆セルフで行う際のリスク回避策
通販は「物の販売」が中心で、当日の段取りまで責任を負わないことが多い点に注意が必要です。DIYで進めるなら、何かあった時に相談できる窓口を確保しておくと、リスクを大きく下げられます。
実践ハンドブック|準備チェックリスト
◆事前準備リスト
【最低限の準備】
①緊急連絡先をおさえる(親族・搬送業者・役所担当者)
②必要書類の把握(死亡診断書の取得→死亡届の記入・提出→火葬許可証の取得)
③安置場所の候補
④火葬場の予約
⑤費用上限と支払い方法の検討
これだけでも、当日の判断がぐっと早くなります。
◆段取りマニュアル
①死亡診断書の取得
②搬送業者の手配
③安置
④役所で死亡届の記入・提出
⑤火葬許可証の取得
⑥火葬場の予約
⑦火葬場まで当日搬送
⑧火葬
⑨ご収骨
DIYでは「④〜⑥」が詰まりやすいので、家族で分担し、チェック式で進めると安全です。
◆病院・搬送業者・火葬場・親族への連絡
連絡は短く要点でOKです。「亡くなった日時」「現在地(病院名など)」「安置先の希望」「火葬希望日」「代表者の連絡先」をメモしておくと、電話のやり取りがスムーズになります。
◆迷ったら“部分委託”という選択
全部DIYにせず、搬送・安置・手続きだけプロに依頼し、用品は通販で揃える、といった“部分委託”は現実的です。費用を抑えつつ、詰まりやすい部分の不安を減らせます。
葬後の供養の選択肢
◆遺骨の保管方法
遺骨は、すぐに納骨しなくても問題ありません。まずは自宅で手元供養し、家族の気持ちが整ってから納骨先を決める方もいます。骨壺のサイズや保管場所を考え、無理のない方法を選びましょう。
◆納骨、埋葬、散骨、供養寺院の利用
納骨は墓地・納骨堂・合祀墓など選択肢があり、散骨も海洋散骨などの方法があります。どれが正解というより、家族の事情(距離・後継者・費用・想い)に合う形を選ぶことが大切です。
◆後悔しない供養の選び方
後悔を減らすコツは「焦って決めない」「家族で基準を共有する」ことです。供養の方法が決まらない場合は、葬儀社に“供養だけ”相談するのも一つの手です。
葬儀社選びのポイント
◆判断基準チェックリスト
【DIY向き】日程に余裕がある/家族に動ける人がいる/安置場所が確保できる/手続きが分かる。
【プロ推奨】深夜・緊急/搬送が必要/安置が難しい/親族調整が複雑/心身の負担が大きい。
◆葬儀社に依頼するメリット
葬儀社は「段取りの詰まり」を解消できます。たとえば直葬に強い葬儀社であれば、必要最低限で整えたい場合でも、搬送・安置・手続き・火葬の流れをまとめて相談できます。
◆葬儀社選びのポイント
確認すべきは
①総額の内訳(追加条件)
②搬送距離と時間帯加算
③安置日数とドライアイス含有日数
④火葬場手配の有無
⑤キャンセル規定
DIYと比較するなら、ここを同条件で揃えて見積もりを取りましょう。
FAQ
◆Q&A:ドライアイスについて
Q:ドライアイスはどれくらい必要?
A:故人様の体格・室温・安置環境で変わります。量の見積りが難しい場合は、安置だけでもプロに相談すると安心です。
◆Q&A:死亡届・火葬場予約について
Q:火葬場予約はいつ取る?
A:役所にて火葬許可証を取得してから、火葬場へ予約の連絡を入れると確実です。自治体・火葬場の運用により違いがあるので、直接ご利用の火葬場へ確認することをおすすめします。
◆Q&A:通販で買える棺について
Q:棺は通販でも大丈夫?
A:問題がなければ大丈夫ですが、おすすめはできません。規格・内寸・耐荷重・付属品・到着日の確認が必須です。急ぎの場面では、到着遅延が最大のリスクになりえることもあります。
◆Q&A:DIY葬について
Q:結局、DIYはおすすめ?
A:条件が揃えば選択肢になりますが、葬儀は時間制約が強く、精神的負担も大きいものです。どうしてもDIY葬を望まれる場合は、「通販で揃える部分」と「プロに任せる部分」を分け、無理のない形で進めることが現実的でしょう。




