葬儀の告別式でよく見かける「焼香」とは?献花や玉串の作法は?
2023/02/06
皆さんは「焼香」をご存じでしょうか?主に仏式の葬儀の場で用いられるもので、葬儀に参列した経験がある方であれば一度は見たことがあるかもしれません。焼香は葬儀の場においてはほぼ必須の儀式といってもよく、その人その人の進行している宗派や宗教によっても作法が違います。最近では葬儀形態によって焼香ではなく玉ぐし礼拝や献花の導入も見られるようになってきました。今回は、焼香の場面とその作法についてご紹介します。
~焼香の場面~
前述したように、仏教葬儀では葬儀・告別式で故人とお別れをする場面で焼香が用いられます。キリスト教葬儀や無宗教葬では生花の献花が一般的で、そのほか神葬祭(神式)では玉ぐしを用いて拝礼します。
これらは宗教ごとに固定して決まっているわけではありません。例外として、仏教葬儀でも焼香は宗派によって作法が異なりますし、キリスト教葬儀でも、カトリック教会やルーテル教会では焼香も認められている為絶対的に献花とは決まっていないのです。
~一般的な焼香の作法~
①僧侶、遺族の順に一礼し祭壇の前へ進む
②遺影に向かい一礼し、合掌する
➂右手の親指、人差し指、中指の三本で香をつまみ、目の高さまでささげる(おしいただく) 回数は2~3回程度
④香を静かに香炉にくべる
⑤遺影に向かい合掌し、僧侶と遺族に一礼し席に戻る
~宗派による焼香の作法の違い(仏教)~
<天台宗>香を額に押戴(おしいただ)きます。回数については特に定めがありません。
<真言宗>香を額に押戴きます。通常3回です。①仏・法・僧に供養すること、②身・口・意の三蜜修行に精進すること、③戒香・定香・解脱香(自ら戒律を保ち心の静寂を求めること)ができる功徳(くどく)があると言われています。
<浄土宗>香を額に押戴きます。特に作法の決まりはありません。よく言われるのは、①「真心を込めて一心に」で1回目、②「身を静めて1回、心を清めるのに1回」で2回目、「仏・法・僧への帰依」「過去・現在・未来の衆生に回向」で3回目などです。
<臨済宗>香を額に押戴きます。回数にこだわりませんが通常1回です。
<曹洞宗>香を額に押戴きます。回数にこだわりませんが通常2回です。
<日蓮宗>香を額に押戴きます。通常3回です。仏・法・僧の三宝供養(さんぽうくよう)とも言われます。そのほかには空・仮・中の3諦(だい)に倣うとも言われます。
<浄土真宗>あくまで自分の心身を清める為とも言われており、香は押戴きません。本願寺派(西)では1回、大谷派(東)では2回とされています。線香を用いる場合には本数を気にせずに立てないで横にします。
~献花~
最近では葬儀後にお別れ会を行うことも増えてきました。そしてお別れ会の会場にホテルが使用されることが多く、会場の要請によって焼香ではなく献花を推奨されることがあります。キリスト教葬儀では告別式に献花によるお別れを行います。しかしこれは日本独自の慣習です。墓地での献花は欧米でも行われますが、日本では焼香に代わるものとしてしばしば献花が用いられます。
~一般的な献花の作法~
献花には決まった作法はありませんが、一般的なやり方をご紹介します。
①祭壇前へ進み、用意されてる献花を受け取る(右手のひらを上に向け花を持ち、左手が下を向き茎を持つ形になるように受け取る)
②献花を時計回りに90度回転させ、茎を先にし花が手前になるように献花台に置く
➂軽く頭を下げ黙とうし、数歩下がって神父(牧師)と遺族に一礼し席に戻る
~玉串拝礼(玉串奉奠)~
神葬祭では焼香や献花ではなく、玉串を用います。玉串とは、榊の枝に紙垂や木綿を付けたもので神に敬意を示して神威を受ける為に祈念を込めてささげるものとされています。
~玉串の作法~
①玉串は胸の高さに、左手で葉を下から支え、右手で榊の根元を上から、やや左高に少し肘を張って持つ
②神前の玉串案の前に進み深く頭を下げる
➂玉串の先を時計回りに90度回転させ、左手を根元に持ち替え右手で榊の先に持ち替え、祈念を込める
④右手で玉串の中ほどを下から支え、玉串をさらに時計回りに回転させ、根元を神前に向け左手を話して右手の下に添える
⑤前に進んでそのまま玉串案の上に置く
※「しのび手」とは…神社への拝礼の際はに礼して二拍手し、一拝します。ですが葬儀の場においては拍手の際に音を立てずに両手を打つ寸前で手を止め音を立てない拍手をします。これをしのび手と言います。
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