【意外と知らない】遺言の扱い方

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【経験がない方も必見】遺言の扱い方

【経験がない方も必見】遺言の扱い方

2024/03/31

「遺言」という言葉は誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。故人が自身の死後の財産などをどうしたいのか、生前に定めておく遺言ですが、正しく扱わないとその効力が亡くなってしまう事も。さらに似た言葉で「遺書」と呼ばれるものもありますが、これは内容が本人の遺志として扱われる物の法的効力はないとされています。

このように、法的に遺言と遺書は別物として扱われているようです。今回は、「遺言」について詳しくご紹介していきます。

 

・遺言が扱う内容

遺言として法的に有効とされているのは主に財産についてが多いようです。その他には相続人を排除したり、この認知をしたり、未成年者であるこの後見人・後見監督人を定めたり、遺言の執行者を定めたり、祭祀承継者を指定したりすることもできます。

また、葬儀の形態についての要望についてが遺言に記されている場合、法的には無効として扱われますが、遺言自体が無効扱いになるわけではありません。

遺言できる人は満15歳以上、夫婦など複数の者が同一内容の遺言を同一証書でする事はできません。

(参考:民法第961条、第975条共同遺言の禁止)

 

遺言の方式について

遺言には「普通方式」と「特別方式」があります。

〇普通方式:自筆証書、公正証書、秘密証書

〇特別方式:死亡危急者の遺言、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言、船舶遭難者の遺言

上記以外の方式によるものは遺言として扱われません。

 

・普通方式【自筆証書遺言】

遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を全て自署し印鑑を押したもので、追加、削除、変更の方式も定められています。

特別な費用が掛からず最も簡単な方式ですが、法律の専門家に依頼する方が不備などの心配も少ないでしょう。実際に、遺言の効力や本人の直筆か否かが裁判で争われるケースもあり確実性の面においては不完全な形式ともいえます。あくまで直筆というのが条件となるため、PCで打込みされた文章や写し(コピー)は無効となります。自筆証書遺言は死後に家庭裁判所による検認を受ける必要があります。封印のある遺言であればこちらも家庭裁判所にて開封しなければいけません。

(参考:民法第968条、第1004条)

・普通方式【公正証書遺言】

公証人が遺言者の口述に基づき公正証書として作成するものです。商人2人以上の立会いが必要です。公証人に支払う手数料がかかりますが、専門家が作成する為無効の恐れがなく原本が公証人役場に保管され、家庭裁判所による検認の必要もありません。よって最も安全で確実な方式と言えるでしょう。

(参考:民法第969条)

・普通方式【秘密証書遺言】

公正証書遺言は公証人、証人の前で遺言内容を明らかにするものですが、秘密証書は遺言内容は秘密にしたままその封印した物を公証人、2人以上の証人の前に提出し、自己の遺言書であることを証明してもらうものです。

遺言証書の全文を自書する必要はなく、PCでの打込みでも問題ありません。ただし、署名、押印、同じ印鑑での封印が必要となります。文章の追加、変更、削除は定められた方式に従います。死後、家庭裁判所にて開封、検認の必要があります。

(民法第970条)

 

・特別方式【死亡危急者の遺言】

病気などにより死亡間近に迫った者が遺言しようとするとき、証人3人以上の前で口述し、証人の1人が筆記して各証人が承認して署名し印鑑を押したものである必要があります。

遺言の日から20日以内に家庭裁判所に提出し、家庭裁判所が遺言者本人の神威であると確認しないと効力を持ちません。

(参考:民法第976条)

・特別方式【伝染病隔離者の遺言】

伝染病の為隔離されて交通が絶たれ、人の行き来のできない場所にいるとき、警察官1人、証人1人以上hの立会いで遺言書を作成することができます。

伝染病以外の理由で行政処分が行われた場合(刑務所内の者など)も同様とされています。

(参考:民法第977条)

・特別方式【在船者の遺言】

船舶中にある者である場合、船長または事務員1人、証人2人以上の立会いで遺言書を作成できます。

(参考:民法第978条)

・特別方式【船舶遭難者の遺言】

船舶遭難の場合、船舶中で死亡の危険が迫った者は証人2人以上の立会いで口頭で遺言できます。ただし、証人はこれを筆記、署名、押印、家庭裁判所の確認を得ないと効力を持ちません。

(参考:民法第979条)

 

遺言の効力・取消し

・遺言は、遺言者が死亡した時点から効力を発揮します。

・受遺者(じゅゆいしゃ)(遺産を贈られる人)は、遺贈(死後贈られる財産)を放棄することができますが、催告期間内に証人又は放棄の意思表示をしないといけない時は承認したとみなされます。また、一旦承認した又は放棄したものを取り消すことはできません。

・遺言者は、いつでも、遺言によって、前の遺言の全部または一部を取り消すことができます。

・前の遺言と内容が異なったり、矛盾するなど抵触する遺言があった時は、後の遺言によって前の遺言が取り消されたものとみなされます。また、遺言書を自分の遺志で破棄したり、遺贈の目的物を破棄、処分したときも、その部分の遺言を取り消したものとみなされます。

(参考:民法第985条、第986~第989、第1022条、第1024条)

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