親父が僕と弟に残した物

父と母が離婚して何年だろう？僕と弟は、親父とあまり関わり合いが少なかった。

突然札幌の警察署から電話がきて、親父が自宅で亡くなった事を知りました。

親父は札幌で、僕は岩見沢に住んでいるので、札幌の葬儀屋を探すことになりました。

突然のことで直ぐに対応してくれる葬儀屋を探さないといけなくなりネットで何件かの葬儀屋に電話で相談しました。

価格が一番安かったのが、市民火葬協会でした。

僕は公務員なので、親父が亡くなったと聞いた時は悲しいというより、冷静でした。

あまりにも親父と関わり合いがなかったし、親父に借金でもあれば僕は相続人になる。

親父のお葬式をした方が良いのかわからなかったし母はお葬式には行かないといった。

とりあえず一番安いお葬式の直葬プランで進めようと弟にも相談して僕が決めました。

警察署で親父の最後を整えてくれた湯灌師に親父の顔を見せてもらいました。

あまりいい状態ではないので、棺は開けられませんと言われた。

棺に入っている親父から異臭がしました。自宅で亡くなり何日か立っているせいだろう思い、涙が溢れてきました。その日札幌の警察署で僕は喪主になりました。

母は最後の親父の顔はあえて見たくないといい、弟も複雑な思いだったので、来なくてもいいといいました。

そして僕は一人で葬儀社の方と火葬場に行きました。

市民火葬協会の方が、収骨はお一人だと大変なので、良かったらお手伝いさせてもらってもいいですか？とサポートしてくれたのがとても助かりました。

火葬を待っている時間に葬儀が終わったことについていろいろ考えていると、親父が済んでいた自宅の片付けもしなきゃいけないなと思い、よくわからなくてもまずは自分でやってみることにしました。ですがいざ始めてみると思っていたより大変だと言う事に気が付きました。

親父の住んでいたマンションに市民火葬協会の方に来てもらい見積りをだしてもらいました。

葬儀費用より高かったけれど、納得できる価格だったのでお願いし、当日代表の方が来てくれました。

すぐに衝撃の言葉を言われました。

喪主は部屋の後片付けなどしている場合ではない。と…

そして、取り急ぎこの部屋から一番大事な物を探してほしいといわれ、僕たちは今までしていた作業をやめて真剣に探しました。大人10名がこんなにも真剣に探さないと出てこないなんて本当にあるんだろうか？と思いました。絶対に出てこないだろうと思う場所から、スタッフさんがありましたーと言った瞬間、すぐに中を確認しました。

不動産登記簿謄本には、親父の名前が記されていました。保証人になっている人もおらず、一人で４LDKに住んでいたようで、僕と弟はその日相続人になりました。

生命保険も色々入っていたようで、急ぎ申請する事にしました。親父が急に亡くなった後、相続人となり親父の財産を引継ぎました。スタッフさんに相談して親父に戒名をつけました。

今年お墓にその戒名を刻み来年、家族でお参りに行こうと思っています。

親父のお葬式を直葬という形で終わらせてしまいましたが、あの時の僕にとっては直葬という選択しかなかったので、今後偲ぶ会も僕と弟で考えられたらいいなあと思いました。こんなに親切な葬儀社との縁をもらったことに親父が市民火葬協会さんを選んだんじゃないかとおもっています。