葬儀での守り刀の風習とは?
2024/12/21
・守り刀とは?
葬儀においての「守り刀」は、亡くなった人をお守りする為に置かれる刀です。一般的に20㎝~25㎝程の短刀を置きます。白木無垢の柄(つか)と鞘(さや)で鍔(つば)無しの短刀であることが多いでしょう。
地域によっては短刀ではなく、剃刀・ハサミ・包丁・のこぎりなどを用いる事もあります。
亡くなった人のための守り刀を用意する風習は、全国各地に見られます。地域の差はあるものの、刃物を用意するという点ではほぼ同じと言えるでしょう。
・守り刀の構造
近年の葬儀では、本物の刀を使用するとなると、大きさによっては銃刀法違反になる恐れがあるため、刃渡り15㎝以下の物か、葬儀用に作られた守り刀や模造刀などを使用する必要があります。
・守り刀の意味
「神道」では死=穢れと考えられています。刀には魔物や魑魅魍魎を遠ざけ、穢れを祓い、清める力があると言われているので、お祓いやお守りを目的とした守り刀が誕生しました。
また、亡くなった故人様のご遺体は、魂が身体から抜けて空っぽの状態だと考えられているため、その空っぽの体に悪い霊が入り込み悪さをする可能性があります。そんな時、誰かが守り刀で刺して、悪い霊を退治できるように守り刀があるという説もあります。
・浄土真宗の守り刀
浄土真宗の葬儀において、守り刀の文化はありません。なぜならば、浄土真宗の教えでは、「すべての人は亡くなった後、仏として極楽浄土に生まれ変わる」とされているためです。道中の悪霊など居ないので、守り刀も不要とされています。
・守り刀の置き方
守り刀の置き方にも、宗教や地域ごとに違いが見られます。一般的に胸元か枕元に置き、刃先は故人様に向けないように置きます。
また、ケアが施されているご遺体の守り刀は、葬儀社の方が決められた位置に置いてくれます。納棺後は棺の上に守り刀が置かれる形になります。
・あとがき
近年、宗教への関心の薄れや仏式に囚われない葬儀スタイルの増加により、守り刀を使用しない葬儀も増えています。
「故人を守る」という意味では、お線香やろうそくも守り刀と縁の深いものです。しかしこれらのかたちも、守り刀同様、時代とともに移り変わっていっています。10年後20年後には、また新しいかたちでお見送りがされるようになっているかもしれません。
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